第2章「現実」 4.議論
「えー、あゆかわのぼる先生、ご講演、ありがとうございました。」 再び司会の席に立った浦山勇人の声で、長谷川敦は我に返った。 「それでは、本日、大変有意義なご講演をしていただいたあゆかわ先生に、改めて感謝の気持ちを込めて拍手をお贈りしたいと思います。」 約10人の聴衆は、浦山の言葉に応じてパチパチと拍…
カジノ誘致に積極姿勢 和歌山県知事
「選択肢を広げた方が県のためになる」by県知事 正直かなり羨ましいです。。。 カジノ誘致に積極姿勢 和歌山県知事 紀伊民報 2014年06月19日 和歌山県の仁坂吉伸知事は18日、県議会6月定例会の一般質問で、国会に提案されているカジノ法案に関連し「県の発展のためにカジノの要素はあっ…
第2章「現実」 3.フラストレーション
幼い頃に家の近所で最初の友達を見つけて以来、長谷川敦にとって友達とはずっと増え続けていくものだった。 母親に手を引かれて保育園に入園すると、そこには見知らぬ子供たちがいた。最初こそとまどいを感じたものの、すぐにその子たちと一緒に遊ぶようになった。川添小学校に入学した時も同じ歳の少年、少女たちとの出会…
第2章「現実」 2.あゆかわのぼるの講演
その日の夕方、誘われた講演会に参加するため長谷川敦は自宅を出た。もう3月というのに周りは雪景色であり、すでに暗くなりかかっていた。それでも真冬の頃に比べると夕暮れの時刻は明らかに後ろにずれ、日を追う毎に昼が長くなっていて、北国・秋田にも春が近づいているのが感じられた。 長谷川の目的地は農村環境改善セ…
カジノ法案:衆院委で審議入り-自民は臨時国会で成立目指す
本日IR法案がついに審議入りしました! 6月18日(ブルームバーグ):現在は国内で違法のカジノを含む特定複合観光施設(IR)の整備推進の法案審議が、当初見通しから2カ月近く遅れて衆院内閣委員会で始まった。 今国会は22日に会期末を迎えるため、継続審議となる見通し。自民党の同委員会メンバーは通常は秋に…
カジノ誘致:候補地・夢洲まで海底トンネルで鉄道計画
毎日新聞 2014年06月18日 15時00分(最終更新 06月18日 15時11分) 夢咲トンネルの出入り口。右上は旧なにわの海の時空館=大阪市住之江区で2014年6月18日午前9時59分、本社ヘリから山崎一輝撮影 拡大写真 ◇負の遺産活用の「最後の好機」 意気込む大阪市 カジノを…
第2章「現実」 1.郷里
長谷川敦は、アメリカ旅行から帰国していた。 ラスベガスからサンフランシスコを経て成田空港に到着し、東京でさらに数日を過ごした後、自宅に戻ったのは昨日の事だ。 長谷川が両親、妹と住む自宅は秋田県の河辺郡雄和町(かわべぐん、ゆうわまち)にあった。山形県に隣接する雄勝町に源を発し、秋田県内陸南部の穀倉地帯…
第1章「邂逅」 6.夜のストリップ
初めてのカジノ体験を終えてホテルを出ると、空はもう暗くなっていた。長谷川たちは来た道をインペリアル・パレスに向かって戻り始めた。昼間のストリップは青空の下で明るさに満ちていたが、夜のストリップは一層華やかな気配がいっぱいだった。各ホテルは色鮮やかなイルミネーションによってライトアップされ、暗闇を背景…
第1章「邂逅」 5.カジノ
長谷川たちは様々なホテルの外観を見て歩くだけでなく、各ホテルの中にも入ってみた。どのホテルでも、エントランスを入ってまずあるのがカジノエリアだ。フロントでチェックインするにも、宿泊している部屋に行くにも、またホテル外に出るにもカジノエリアを通らなければ行けないような仕組みになっている。客をカジノエリ…
第1章「邂逅」 4.ホテル
長谷川たちは、エスカレーターの付いたフォーコーナーの歩道橋を渡って、さらにストリップを南に向かった。歩道橋を降りた一角では大規模な工事が行われていた。重機が動き回り、巨大なビルを建設中だった。見渡すとストリップのそこかしこで他にも建設工事が進められており、幾つかの新しいホテルが作られていると推測でき…