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カジノ法案、IR特需に自治体・企業意欲 20年開業危ぶむ声も
[産経Biz 2014.10.3]
開会中の臨時国会では、「統合型リゾート推進法案(カジノ法案)」成立の可否が「地方創生」や「女性活躍」に並ぶ重要課題として注目されている。超党派の議員連盟が策定した同法案は、慎重論が根強い公明党に配慮して先の通常国会で継続審議扱いとなったが、安倍晋三首相が「成長戦略の目玉」に掲げてカジノ実現を公言する今国会では成立の公算が大きい。自治体や企業の動きも活発になってきた。
政府は、2020年の東京五輪・パラリンピックまでの開業を目指すが、危ぶむ声も浮上。課題はなお山積している。
カジノ法案は、カジノを中心にホテルや劇場、国際会議場などを併設した大規模な統合型リゾート施設(IR)の実現に向けて、政府に関連法の整備を課す法律。成立後1年以内に具体的な実施法を策定することになっており、事業者選定や運営方法、社会的問題への対策などが規定される。議連の幹事長を務める自民党の岩屋毅衆院議員は「13年間議論してきたが、いよいよだ。幸い東京五輪が開かれる20年には外国人が多く来るから、その時期に開業するのがいい」とカジノ法案の早期成立に期待を寄せる。
議連などは、20年までに都市型と地方型のIRを3カ所程度開業することを想定している。それまでに自治体を選び、自治体が国内外企業を選定し、着工する。神奈川県、大阪府、沖縄県などが有力候補に挙がっている。
政府がIR実現にこだわるのは、20年に2000万人、30年に3000万人の外国人観光客を誘致する目標達成に有効なうえ、経済効果も大きいからだ。建設業のほか、製造業や運輸、ホテル、サービス業など幅広い産業に及ぶ。それに伴い雇用拡大効果も大きい。
1カ所当たり5000億~1兆円ともいわれるIR特需を狙った内外企業の動きも活発化。有力候補地の自治体首長訪問やコンソーシアム設立に向けた交渉が繰り広げられている。
ただ、20年のIR開業は難しいと危ぶむ声もある。自国民向け入場規制やギャンブル依存症対策、マネーロンダリング(資金洗浄)対策などに取り組まなければならない。
しかも「膨大な制度設計に1年は短く、追加法が必要になりかねない。ゼネコンは資材も人材も東京五輪に向けて不足気味で、突貫工事も厳しい」と国際カジノ研究所の木曽崇所長は予想。その上で、「IRによる経済効果が必要になるのは五輪よりその後だ」と指摘する。
自民党内にも「先の国会で審議が流れて、20年には間に合わなくなった」と算段する議員もいて、「20年開業」が論点に浮上する可能性も出てきた。
ソース:http://www.sankeibiz.jp/macro/news/141003/mca1410030500001-n1.htm