日経記事3連発。 2発目。
カジノ、治安・依存症対策が前提
[日本経済新聞 電子版2014/7/26 2:00]
政府は議員立法の成立を前提にカジノ整備に着手したが、議員立法が成立した後も課題は残る。
日本の刑法が競馬、競輪など公営ギャンブルを除き、賭博行為を認めていないのは、社会的な弊害が大きいためでもある。カジノ法案では政府が指定する地域に限り、民設民営のカジノを認める。法務省などは、治安悪化などの弊害を除去しきれるかどうか懸念しているという。政府が法案成立後に固める制度設計が重要になる。
カジノでは莫大なお金が動く。その分だけ反社会的勢力の資金源になったり、資金洗浄の温床になったりしないように厳しい監視が必要になる。
テロ資金対策などを手掛ける国際機関の金融活動作業部会(FATF)は6月、日本の資金洗浄への対策が不十分とする異例の声明を出した。国際基準に沿った不正資金への対策が整うことがカジノ解禁の大前提だ。
議員立法では、治安対策や不正防止の中核組織として、内閣府に「カジノ管理委員会」を置くことになっている。100人規模で監視にあたる海外の事例を参考にしたものだが、カジノに精通した人材をどこからどれだけ集められるのか実効性に不透明な面が残る。
ギャンブルを繰り返す依存症対策も不可欠だ。日本人に限り入場料をとるのは対策の一つだが、常習者への心理カウンセリングの充実なども求められる。日本は賭博をする人のうち1割近くが常習性があり、2%前後の主要国よりも高いとの調査もある。