カジノ大手の米サンズ「日本に100億ドル規模を投資する計画に変化ない」
[産経ニュース 2016.4.5 07:20]
カジノなど統合型リゾート施設(IR)運営大手米ラスベガス・サンズは、子会社のマリーナベイ・サンズ(MBS、シンガポール)を通じて4月から日本市場で集客キャンペーンに乗り出す。MBSのジョージ・タナシェビッチ社長=写真=は産経新聞社のインタビューに応じ、「本社が日本に100億ドル(約1兆1100億円)規模を投資する計画に変化はない」と述べ、日本市場参入に強い意欲を示した。
日本では超党派の推進議連などが目指したIR推進基本法案が、公明党などの反対で成立のめどが立たず、仕切り直しを余儀なくされている。過熱気味だった自治体のIR誘致熱も冷めつつある。
だがタナシェビッチ社長は「時間がかかるのは必要なプロセスだ。日本市場への進出が最大のチャンスだということに変わりはない」と強調。ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長は2014年に「日本へのIR投資は100億ドルでも出す」と表明した。タナシェビッチ社長も「投資額100億ドルの考えは今も同じだ」と述べ、大型投資に意欲を示した。
政治情勢の変化で沖縄県や大阪府など自治体のIR誘致の取り組みにも温度差が出ている。タナシェビッチ社長はIR建設の候補地として「人口が多くて交通アクセスが便利な大都市が有望」だと述べ、具体的な進出候補地として「東京、大阪、横浜」の3都市を挙げた。
超高層ビル3棟を屋上で連結したMBSのホテル宿泊客は日本人が5年連続で最多だった。日本からの観光客誘致を加速するため、人気の高い元サッカー選手の デビッド・ベッカム氏をブランド大使に起用。今秋にはベッカム氏を招き、日本で大規模イベントを計画している。(芳賀芳明)
ソース:http://www.sankei.com/economy/news/160404/ecn1604040044-n1.html